私が働いているガールズバーには、いつも3人で来る男性客がいます。
女の子たちはそれぞれを影で『モラハラトリオ』って呼んでいました。
何でそんなひどいあだ名をつけるかって?
そりゃもちろん、女の子たちに嫌われているお客さんだから。
席に着くと、ひたすら目の前にいる女の子の悪口を言うんです。
デブ「すんげぇ~ブスが来た」
メガネ「しかもデブ」
ドクロ「おい、なんか面白いこと言えよ。カス」
どんな可愛い女の子がついても、ひたすらブス・デブ・カスのオンパレード。
しかもドリンクさえくれないんです!!
最悪な客なのですが、店長に相談しても
「あれでも貴重な常連客だから…」
と言って出禁にしてくれませんでした。
そんな鬱々とした日々が続いたある日。
新人の女の子がその3人組に付いたんです。
彼らはいつものように、その女の子に対して毒づき始めました。すると
「あー!!!もしかして噂のモラハラトリオさんですか!?」
その発言に、一瞬で凍りつく店内。
「いつも聞いています!女の子にブスとかデブとか、悪口しか言わないんですよね!」
「なんでそれしか言わないんですか?他に話すことが思いつかないとか?」
「3人の中で彼女いる人、手を挙げてくださーい!!!」
「はい、いない!彼女欲しくないの?欲しいでしょ?せっかくガールズバーに来ているのだから、女の子と楽しく話す練習した方が良いですって!」
いつもは何時間もいる3人組でしたが、その日は1時間もせずに帰っていきました(笑)
女の子から拍手喝采!店長も、空気を読んだのか新人を叱ることはしませんでした。
あの3人組はきっともう二度と来ないだろうと思っていたのですが…
なんと!まだ来ています!
しかも、一人ずつくるようになりました!
「3人だと女の子と話すのがなんだか恥ずかしくって…。いつも嫌なことばかり言ってすみませんでした」
と手土産持参でキャスト全員に謝ってくれたんです。
しかも一人ずつ接客すると、全員すごくいい人だったという(笑)
最悪な客から良客へと変化した、珍しい例でした。